■ 概要
Miracrys社・EKSMA社では、テラヘルツ波発生・検出のための半導体材料として、ZnTe 結晶を取扱いしています。
中でも方位<110>のZnTeは、励起波長800nmとテラヘルツ波との位相整合条件が良いため、
フェムト秒Ti:Sapphire(チタンサファイア)レーザをご使用いただけます。
テルル化亜鉛の応用分野は、THz検出器、THzエミッター、赤外線製品、基盤、結晶への蒸着、光リミッタなどが挙げられます。
■ 物性 |
結晶構造: |
CubicZincblende |
最大透過率(λ=7〜12um): |
60% |
Point group: |
43m |
群速度不整合: |
1.1 ps/mm |
電気光学定数(r41): |
3.9 pm/V [EKSMA社] |
4.0x10〜12m/V {Miracrys社] |
屈折率(λ=10.6um) |
2.7 |
面方位 |
(110),(100),(111) |
面精度 |
As-cut, 80/50, 60/40 per MIL-0-13830 |
■ Miracrys社 ZnTe 結晶標準仕様 |
■ EKSMA社 ZnTe 結晶標準仕様 |
最大比抵抗: |
109 Ohm*cm |
アパーチャ |
10mmx10mm |
比抵抗 |
a.) low: <103 Ohm*cm
b.) high:<109 Ohm*cm |
厚み: |
0.2mm, 0.5mm, 1mm |
赤外製品の最大直径/長さ |
Φ38x20mm |
スクラッチ/ディグ: |
60/40 |
単結晶の最大直径/長さ |
Φ38x20mm |
コーティング: |
なし |
直径/幅 |
1〜50mm |
マウント |
25.4mm径リングホルダ |
薄さ/長さ |
0.1〜150mm |
面方位 |
(110),(100),(111) |
※両メーカ共にホルダなしでのご提供も可能です。 |
面精度 |
As-cut, 80/50, 60/40 per MIL-0-13830 |
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ZnTe結晶内部には小さな気泡があり、照明を投射すれば目視で確認できます。
この気泡がTHz波発生に影響することはありません。 |
方位<110>のZnTe結晶は、電気光学効果――ZnTe結晶の大きな非線形光学定数を利用した光整流・差周波によるTHz発生――
に使用されます。
広いスペクトルバンド幅を持つフェムト秒レーザがあれば、各周波数が相互に干渉し、その差がバンド幅0〜数THzの光として発振します。
THzのパルス波の検出には、方位<110>のZnTe結晶をもう1個使用し、フリースペース上での電気光学的検出によって
以下のようにして行われます。
・THzパルス波と可視パルス波を同一方向にZnTe結晶内伝播晶させると,THzパルス波はZnTe結晶内の複屈折を引き起こします。
・その結果、可視パルス波の偏光はTHzパルス波の影響を受けて回転します。
・λ/4波長板と、一連のバランスフォトダイオードと一緒に偏光スプリッタをご使用いただければ、
ZnTe結晶を透過した可視パルスの偏光回転をモニタリングすることで、THzパルスの振幅波形を描き出すことが可能です。
電場(振幅と遅延の両方)を完全に読み出すことができるのが、THz時間領域分光の魅力的な特徴のひとつです。
また、ZnTe結晶は、赤外用光学コンポーネントの材料や真空装置にもご使用いただけます。
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■ Miracrys社 ZnTe透過
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